リール関連あれやこれ。

2018.6.2(Sat)
バンタムMGL(左)

バンタムMGL。
左モデルが5月の終わりにやっと発売された。

バンタムMGL HG 左
これにエキサイティングドラグサウンドを搭載する。バスではドラグはかなり締めているのでドラグ音はそこまで使わないかもしれないが、鯛ラバではこれがほしい。
マイクロモジュールギヤ搭載のロープロタイプで価格も安いので、人気の出そうなリールだ。

当たり前だが分解と魔改造が前提なので、真似して失敗しても自己責任の覚悟でやってほしい・・・。
できるかできないかだと・・・できる。

過去、14カルカッタコンクエスト101、スコーピオンDCなどでも同様にドラグサウンドを搭載したことがあるが、はっきり言ってこのバンタムMGLが一番苦戦した。




2018.2.2
2018EXIST FC LT1000S-P

18イグジストが発表されたので、過去のシリーズとの比較を。

アイテム巻取り長さ
(cm/
1回転)
ギヤ
自重
(g)
最大
ドラグ力
(kg)
標準巻糸量
ナイロン
(lb-m)
標準巻糸量
PE
(号-m)
ベアリング
メーカー希望
価格(円)
1003(07モデル)594.815522-150,3-1000.3-120,0.4-10012/169,800円
1003ネイティブカスタム645.216023-100,4-90-12/173,500円
1003(12モデル)594.815522-150,3-1000.3-120,0.4-10012/175,000円
1025(15モデル)604.816522.5-100,3-750.3-90 / 0.4-7512/175,000円
FC LT1000S-P(2018)614.915052-120,2.5-100,3-700.2-210,0.3-200,0.4-13012/167,000円

初代のメタルハウジング(マグネシウム合金)から12イグジストでザイオン(樹脂)に変更、マグシールドを搭載。
15年モデルは引き続きマグシールド搭載、ボディは引き続きザイオン、ドラグがATDに。18年モデルではマグシールドを廃止しボディはザイオンのまま全体の軽量化。
・・・ってこれ結局初代のイグジストに戻っただけなんじゃ・・・(しかもボディはプラスチックになった)。

全体重量については、ハンドルでかなり落としていると思われる。ZPIのファンネルなど、社外の軽量ハンドルが容易に手に入るので、ボディ本体の重量が下がらないと意味がない。

巻き取り量が初代1003と1003ネイティブカスタムの中間になったので、この微妙なところが欲しい人には良いだろう。

ザイオンすなわち繊維強化プラスチックはカメラのボディなどにも使われているが、代表的なメーカーのものを見ても中級機までにしか使われていない。フラッグシップ機はマグネシウム合金である。

ザイオンボディ(樹脂ボディ)には一長一短あるが、錆びないというのは1つのメリットだろう。
あとは加工コスト。
精度に関しては金属に絶対勝てないと思う。ただし、どのレベルの精度が必要か(というか設計上どのレベルで設定しているか)という問題になってくるので、ここは難しいところだ。


不可思議なのは、糸巻量の差。15年モデルと比べてナイロンの糸巻量は同じだが、PEは90mから200mにアップしている。
これはさすがに誤記?
※スペックはEXIST特設サイトから引用。

ドラグ力がこれまでの2sから5sに増加している。
気になるのはドラグのツマミ1クリックごとの負荷率。最大値が2sから5sと2.5倍になったことから、ドラグを占めこんだとき1クリックで変化する調整量も2.5倍になるおそれが・・・。
これだと、これまでのイグジストより細かな調整ができなくなる。ドラグはネジの締め込みを利用してワッシャーを押さえつけてブレーキをかける。ネジのピッチかドラグノブのクリックの間隔を1/2.5にしなければ同じ調整量にならない。


ブッシング
これを見ただけで何か分かったひとはかなりのマニアだろう・・・。
これは、スピニングリールのワンウェイベアリングとピニオンギヤを繋ぐブッシュ。
05イグジストはKoyo製(株式会社ジェイテクト)のワンウェイローラーベアリングが搭載されているが、このベアリングとブッシュが目茶苦茶重い。軽量化のためにブッシュを自作してみた。


ノーマル部品


自家製


ちなみにワンウェイローラーベアリングの重さ。
ダイワのリールは使っていると「突然逆転し始める」現象が起こるが、原因はこのローラーベアリングの不具合である。リールが急に逆転したら、まずはここを疑ってほしい。

実は試作品は2年ほど前に作ったのだが、特に公開するわけでもなくテストを行ってきた・・・。いろいろ試しているうちにだんだん問題点と対策方法が分かってきたので、改良版を作ろうと思っている。

魔改造イグジスト1003(ハイギヤ仕様)

新しい肉抜きギヤが完成した。
去年、2015年から1シーズンテストしてみて問題ないので公開する。

世界に誇る日本の加工技術。
スポークが細すぎるんじゃないかと不安を呼びそうだが、エリアフィッシングやアジング、メバリングで使用する細糸ならば全く問題ない。

ボディ内部、見えない場所に本気のパーツ。
12イグジスト1003

ローターを交換したついでに重さを計ったので掲載。


12イグジスト1003ローター(ザイオン)11.83g ※当HP調べ


初代イグジスト1003ローター(ザイオン)11.12g ※当HP調べ

初代のほうが軽い。
この差をどう考えるかは、人次第だろう。
12ルビアス1003

海で使っているルビアス1003なんですが、一応ノーマルではないので時々問い合わせなどが。
それほど激しい改造をしているわけではないですけど、一応載せときます。

交換している部品は、ハンドル、ハンドルノブ、ドラグノブ、スプールメタル、ハンドルノブベアリング、スプール、ベアリングカバー、マグシールドキャンセル。

グリスはIOSのギアグリス。

マグシールドユニットキャンセル。
マグシールドユニットはメンテの邪魔なので撤去。
(シールドオイルを抜いているだけではなく、シールドユニットそのものを分解、不要な部品を撤去。)


マグシールドを構成している磁石。
0.3g

小さいが、かなり強力な磁力を発している。

磁石が回転に影響しているのはほぼ間違いない。

やってみて初めて分かったのだが、磁石が何かの回転を妨げている。
おそらくワンウェイクラッチかその周辺のリング。

12ルビアス1003
軽量化のためのパーツ交換


右:12イグジスト1003用、左:12ルビアス1003用


12ルビアス1003用ドラグノブ重さ


12イグジスト1003用ドラグノブ重さ


12ルビアス1003スプールメタル重さ


12イグジスト1003スプールメタル重さ

ドラグノブとスプールメタルは12イグジストのものと大きさに互換があり、換装が可能。
この二つの部品を交換するだけで3g以上軽量化できる。

尚、12ルビアス1003パーツリスト
No.1ドラグノブ 2100円

No.15スプールメタル 500円

12イグジスト1003
No.1ドラグノブ 2000円
No.14スプールメタル 500円

ドラグノブ、なんとルビアスのほうが値段が高い。
重さは2gも重い。

スプールメタルについても、同じ値段なのになぜか材質が違う。
材質を変えている理由は不明。
イグジストはアルミ、ルビアスは鋳物っぽい何か。

部品表の単品では同じ値段なのでコストダウンのために材質を変えているわけではないと考えられる。
まさかとは思うが、ルビアスの重量が軽くなりすぎるとイグジストとの逆転現象につながりかねないため、わざと重い素材を使っているのか?

イグジストの部品のほうが安く造れちゃったけど下位機種より値段安くできない(かといって同じ部品にするとルビアスとの重量差が縮まる)とかそんな理由じゃあなかろうなまさか。

さすがにそんな理由だったらびびるが。
恐怖のヒエラルキー。

ハンドルはRCS35oに変更。
ノブはZPI社の薄いやつ。(フラットノブS)

35oにしているのは軽量化のためではなくリーリングの問題。
ファンネルに35o仕様が出ればすぐにでも交換したいのだが、なぜ出ない35o。
プレッソ、ツインパワー1000PGS、ステラ1000PGSはメーカー純正で35oハンドルのはずだが、なぜ出ないファンネル35mm・・・。

37.5oてなんやねん。
2015/4/22
EXIST1003魔改造

軽量化
EXISTの大きな特徴の1つ。

この特徴を追及する。

初代EXISTはまだまだ現役だぜ。
という挑戦。
俺の大好きな07年モデルEXIST1003でがんばるプロジェクト。

これは正直、公開するかどうか迷った。
絶対パクられるからだ。

だがまあいい。
釣り業界の技術向上につながるならばそれも良かろう。



肉抜き。

マスターギアの金属部分に開口した。

07EXIST1003のマスターギア専用治具を制作してマシニングセンタで加工したもの。
見た目がエグイ。

ただし、蓋をしてしまえば全くわからない。
外見はドノーマル。
本人以外誰にもわからないのである。

本気で軽量化するなら、まだまだやれるところはある。

いずれはザイオンギアとか出てくるのだろうか。
まあ無理だろうが。

メタルボディと同等の強度と精度というウリ文句でやっているのだから、出してほしいものだ。
ザイオンギア。

マグシールドベアリングに関する考察

グローブライドの特許ベアリング。
特許の公告番号はWO2013161625A1

基本的な構造はこうである。

5b、15bの部分が磁性流体


ベアリングの回転性能に影響を及ぼす『球』の部分が磁性流体で覆われているわけではないので、磁性流体のせいで回転が重くなったりはしない。(球の回転部分はオイルかグリスが充填されていると考えられる。)
もちろん図面のとおりに部品が完成していればの話であって、磁性流体が回転球に流れ込めば影響がある。

磁性流体によるシールド効果なのだが、これには謎が多い。

液体で液体をシールドできるのか?
そもそも磁性流体とは何なのか。

磁性流体についてインターネットで記事を探していたところ、こんなものを見つけた。
シール材料を扱うメーカーのNOK株式会社のHP。

これによれば、磁性流体とは『磁性微粒子を界面活性剤を用いて安定に分散させた液体で「強磁性」という磁性体としての性質と「流動性」という液体の性質を兼ね備えたもの』となっている。
NOK株式会社HP

磁性流体のベースとなる液体は水性のものと油性のものがあるようだが、界面活性剤ということは親水基と親油基両方を持っているわけだから、油ベース水ベースどちらで作ったとしても海水や水がかかれば混ざることになる。

また、同社のHPには『磁性流体が溶け出したり往復運動によって持ち去られたりするといった欠点があるため、液体シールや往復動シールには適しません。』とあるのも興味深い。
(気体用のシール材であり、液体には不向きといった内容は、複数のサイトで目にする。)

値段も決して安くないマグシールドベアリング、数年後にどのような評価が下されるか楽しみである。

(2015.3.9記)
ReelElementsData

1000番クラススプール重さ

12ルビアス1003




10セルテート1003



07ルビアス1003



初代イグジスト1003


使用中
スピニング
淡水:イグジスト1003、1003ネイティブカスタム、2004、08プレッソ
海水:イグジスト1003、12ルビアス1003、イグジスト2508ハイパー

ベイト
カルカッタXT101、カルカッタコンクエスト101DC、14カルカッタコンクエスト101
アンタレスDC7

観賞用:ABU5501C

スピニングはダイワ、ベイトはシマノという不思議な組み合わせになった・・・。
スピニングは軽さを重視。
初代イグジスト販売当時、ステラは本体が重かった。
また、シマノリールはハンドル位置が上に来ると、ハンドルの重さで勝手にローターが回ってしまうほど滑らかで、かえって一定で巻くのが難しかった。結果スピニングはダイワになった。
(スピニングについては、完全に機能を優先しているが、ベイトは趣味の要素が強い。)

12年モデル以降のイグジストは本体がマグネシウムから樹脂に変わったことと、ザイオンの強度評価の根拠資料がイマイチなので、信用できず未だに初代のイグジストを使っている。
15イグジストはエリア用として考えると劣化したようにしか見えないので様子見中。

12イグジストの興味深いところは、1003番で本体重量155g(メーカー公表値)という軽さだ。
しかし、実はこれはハンドルが4gほど軽量化されたことが大きいと考えられる。(※初代はメーカー公表値で160g)
スプールも激しい肉抜きが施されている。12イグジスト1003のスプールは、単体の重さデータが俺のところに無い。(誰か教えてください・・・。)

※そもそも、メーカーの公表値である155gより、販売時では重い。理由は不明だが、おそらくグリス等が全く無い状態での計量値ではないかと思われる。

15イグジストについてはコメントするのが難しい。
重くなった本体、淡水では無用のマグシールド、穴がでかすぎてシャフトに触ってしまうためリトリーブの弊害でしかないザイオンノブ、樹脂製スプールリング。

何かとツッコミどころの多い15イグジストだが、やはりなんといっても樹脂製スプールリング。
12イグジストからスプールリングは樹脂製になっているようだ。スプール本体に露骨な肉抜きを施した軽量化の一貫と考えればまだ分かるのだが、15イグジストではスプール本体の材質をアルミに変更。しかしリングは樹脂。
意味が分からん。
デザインを優先したのだろうか。(おまけに粗悪品が出回ってしまったのだから話にならない。)
設計思想が理解できない。
コストダウンの賜物。お値段据え置きだが。

12イグジストから根本的な構造は変わっていない。スプールが変わっただけのマイナーチェンジモデル?

極めつけ
14プレッソとの差がわからん。
(むしろ35oハンドルが手に入るプレッソのほうが欲しい。)

2015.3.9記。
使用オイル
IOSプロ02、WAKO'Sの試供品オイル、MTCWトラウト(ライト)、タミヤのラジコン用スプレー
グリス
IOSギアグリス、MTCWのグリス(トラウトライト)

MTCWのオイルとグリスは使い始めて間もないですが、今のところ特に問題はないです(2015/03/04現在)。
種類が多いので、全部試さないと詳しくは・・・(´д`;)